第23回 伸びる子の親は,「できなかった日」の次を見る

第21回~第30回

「今日は,何もできなかった」

そんな日もあります。

学校から帰るのが遅かった。
部活で疲れていた。
思ったより宿題に時間がかかった。

予定を立てていても,
そのとおりにいかない日はあります。

でも私は,
予定どおりにできなかったことより,
そのあと,どう立て直すか
の方が大切だと思います。

■ 予定どおりにいかない日は,必ずある


「18時から数学」
「19時から英語」
と決めても,

学校の予定が延びる。
急な提出物が出る。
一つの問題に時間がかかる。

そんなことはいくらでもあります。

だから必要なのは,
予定を守る力だけではなく,
予定を直す力
です。

■ 「予定なんか,ない方がいい」と思わせない


予定どおりにできなかった時,

「またできなかったね」
「せっかく予定を立てたのに」

と何度も言われると,
子どもは,

「予定なんか,ない方がいい」


と思うようになることがあります。

予定を立てなければ,
守れなかったことを責められることもないからです。

でも,予定は,
できなかった時に責めるためのものではありません。

うまくいかなければ,
直せばいい。

たとえば
「またできなかったじゃない!」ではなく,
「今日は予定と違ったね。次はどう直そうか」
と聞いてみる。

予定は,
次を考えるための道具
です。

■ 「何もできなかった」は,本当?


生徒さんが,
「昨日,全然勉強できませんでした」
と言うことがあります。

でも聞いてみると,
数学は途中までやった。
英単語は少し見た。
ということもあります。

そんな時は,
「少しでもできたことはあった?」
「じゃあ,今日はどこからやる?」
と整理する。

できなかったことを責めるより,

次に戻る場所を見つける。

これが,立て直す練習になります。

■ 「追い込まれたらできる」を習慣にしない


テスト前日に徹夜して,
それなりにいい点が取れた。

そんな経験をすると,
「追い込まれたらできる」
と思うことがあります。

でも,それが習慣になると,
切羽詰まらないと動けない
という形になりやすくなります。

これは,勉強だけの話ではありません。

社会人になってからも,

納期ぎりぎり。
締切日ぎりぎり。
催促されてから動く。

そんな仕事の進め方につながることがあります。

だから学生のうちに身につけたいのは,
追い込まれた時だけ頑張る力ではなく,
締切から逆算して,余裕を持って進める力
だと思います。

■ 自分で予定を立ててみる


テストの日が決まったら,
「テストの日から逆算すると,
いつまでに何を終わらせたい?」
と聞いて,本人に考えさせる。

最初から完璧でなくていい。

やってみると,
「思ったより時間がかかった」
「ここは早めに始めた方がよかった」
と分かります。

そして,
その経験を次のテストに生かす。

うまくいっても,
うまくいかなくても,
自分で立てた予定なら,次に直す材料になります。

そうやって少しずつ,
「前回ここで遅れたから,今回は早めにやろう」
と考えられるようになる。

すると親が毎回,
「予定を立てなさい」
「そろそろ始めなさい」
と言わなくても,
締切から逆算して,自分で予定を立てられる
ようになっていきます。

■ 第21回,第22回のその先へ


第21回では,「始める力」
第22回では,「自分で回す力」
について書きました。

そして第23回は,「立て直す力」
です。

始める。
自分で進める。
うまくいかなければ直す。
そして,次に生かす。

伸びる子は,
失敗しない子ではありません。

うまくいかなかった時に,
立て直して,次に生かせる子です。


伸びる子の親は,
「できなかった日」を責めるより,
「その次」を一緒に見ています。

できなかった日は,
失敗の日ではありません。
次に生かす練習ができる日です。

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