第17回 「覚えた?」で終わらせない親|白紙に再現する想起学習

第11回~第20回

「ちゃんと覚えた?」

テスト前,つい聞きたくなる言葉です。

子どもは教科書を読んでいる。
ノートを見直している。
問題集のまとめを眺めている。
単語帳も開いている。

「覚えた?」
と聞く。

子どもは,
「覚えた。」
「たぶん。」
「大丈夫。」
と答える。

でも,テストになると出てこない。
これも,家庭学習あるあるです。

なぜでしょうか。

見て分かることと,
何も見ずに思い出せることは違うからです。

伸びる子の親は,
「覚えた?」
だけで終わらせません。

「何も見ずに思い出せる?」
「白紙に書き出せる?」
「どこが思い出せなかった?」

と聞きます。

これは,子どもを試すためではありません。
覚えたつもりを減らすためです。

■ 見ている時は,分かった気がする

教科書や問題集のまとめは,よく整理されています。
全体像をつかむには,とても参考になります。

でも,それを何度も眺めているだけでは,
「これは分かる気がする。」
「覚えたかも。」
で終わってしまうことがあります。

テストでは,教科書もノートも見られません。

大切なのは,
見て分かることではなく,
何も見ずに思い出せることです。

ここで役に立つのが,想起学習です。
想起学習とは,簡単に言えば,
見ずに思い出す練習のことです。

■ 書くことが目的ではない

「自分の手で書いて覚える」

こう聞くと,少し昔の勉強法のように感じるかもしれません。

たしかに,ただ写すだけなら,あまり効果的ではありません。

英単語を何十回も写す。
教科書のまとめをそのまま写す。
答えを赤で写して終わる。

これだけでは,覚えたつもりになることがあります。

大切なのは,書くことそのものではありません。
自分の頭から取り出しながら書くことです。

写すために書くのではなく,
思い出すために書く。

ここに意味があります。

■ まずは,A4用紙1枚にまとめる

最初に,A4のレポート用紙を1枚用意します。

できれば片面に,今回のテスト範囲の要点や大事なことをまとめます。

色ボールペンを使ってもかまいません。

赤が良い,青が良い,と細かく気にしすぎなくて大丈夫です。

自分が見やすい色。
書いていて気分が上がる色。
あとで見返した時に意味が分かりやすい色。

それでよいと思います。

大切なのは,色に自分なりのルールを持たせることです。

たとえば,
赤字は,必ず覚えること。
青字は,大事だけれど,その場で考えて導き出せばよいこと。
緑字は,答案には書かないけれど,頭の中で計算したり確認したりすること。

これは,私がレッスン時に使っているルールの一例です。

色分けそのものが目的ではありません。

何を覚えるのか。
何を考えて導くのか。
何を頭の中で処理するのか。

そこを分けることが目的です。

社会のように,地図や時代の流れを自由に書きたい場合は,
A4のコピー用紙でもかまいません。

マインドマップのように,
自由に枝分かれさせてまとめたい場合も
罫線のないコピー用紙の方が使いやすいと思います。

■ まとめたら,白紙に再現する

まとめ用紙を作ったら,まずは眺めて覚えます。

そして,「覚えたかな。」と思っても,
すぐにワークへ進むのではありません。

次にやるのは,
白紙のコピー用紙に,作ったまとめ用紙を再現することです。

何も見ずに,思い出せるかを試します。

この時は,きれいに書く必要はありません。

色ボールペンを使う必要もありません。

ラフでいいので,思い出したことをどんどん書き出します。

最初から全部は思い出せません。

それで大丈夫です。

大切なのは,思い出せなかったところを見つけることです。

書けるところまで書いたら,元のまとめ用紙と見比べます。

そして,思い出せなかったことを,再現用紙に追記します。

すると,

何を覚えているのか。
何が抜けているのか。
どこがあいまいなのか。

が見えてきます。

白紙に再現する目的は,完璧に書くことではありません。

あいまいなところを見つけることです。

■ ワークは,そのあとでいい

覚えたと思ってすぐにワークをすると,
問題を解くというより,
解説を見て確認するだけになることがあります。

ワークや問題集は,
知識を入れるためだけのものではありません。

入れた知識を使えるかどうかを確認するものです。

だから,順番はこうです。

まとめる。
眺めて覚える。
白紙に再現する。
抜けていたところを確認する。
それからワークに入る。

この流れにすると,

「見たら分かる」から,

「何も見ずに思い出せる」へ変わります。

そして,そこから「テストで使える」へ進みやすくなります。

■ 伸びる子の親は,思い出せない所を責めない

白紙に書いてみると,思ったより書けないことがあります。

そこで,
「ほら,覚えてないじゃない。」
と言いたくなるかもしれません。

でも,伸びる子の親は,そこで責めません。

「ここがまだあいまいだったね。」
「じゃあ,そこだけもう一回見ようか。」
と,次に見る場所を一緒に確認します。

思い出せなかったところは,失敗ではありません。

次に覚える場所です。

伸びる子の親は,
「覚えた?」
だけで終わらせません。

「何も見ずに思い出せる?」
「白紙に再現できる?」
「どこがあいまいだった?」

と聞きます。

そこに,テストの点につながる家庭学習のヒントがあります。

見て分かる勉強から,
見ないで思い出せる勉強へ。
そこから,家庭学習は変わり始めます。

■ 関連記事
できる子が無意識にやっている,本当に効果のある 5つの学習法

コメント

タイトルとURLをコピーしました