第22回 それ,親がやっていませんか?│子どもの「できる」を奪わない

第21回~第30回

「勉強しなさい」

中学生,高校生になると,
この言葉はだんだん効かなくなってきます。

でも,中高生になれば,
自分で考えて,自分で動く力
が必要になってきます。

伸びる子のご家庭を見ていると,
何でも先回りしてやってあげるのではなく,
できることは,少しずつ本人に任せている
ように感じます。

■ 「今日,やりたいことある?」

私はレッスンの最初に,たいてい
「今日,やりたいことある?」
と聞きます。

「前回の続きでお願いします」
と言うこともあれば,
「ここが分かりません」
と具体的に言うこともあります。

「ここが分かりません」と言えるのは,
自分は何が分かっていて,
何が分かっていないかが分かっている証拠

です。

一方で,
「前回の続きで」
という返事も,
必ずしも惰性ではありません。

「この分野を早く身につけたい」
という気持ちがあるからこそ,
続きを選んでいることもあります。

もちろん,「特にないです」と言う時には,
こちらから,
「それなら,今日はここをやろうか」
と提案します。

つまり,
まず本人の考えを聞く。
必要なら,こちらが方向を示す。

このバランスが大切だと思っています。

■ 家庭でも,答えを先に出し過ぎない

家庭でも同じです。

「今日は何する予定?」
「今週,提出物ある?」
と聞いてみる。

親が全部決めるのではなく,
本人に考えて,言葉にさせる。

これも,
自己管理の練習になります。

■ 高校生なら,自分で準備していい

オンラインレッスンをしていると,
高校生になっても,
親御さんが問題集のページをコピーしたり,
写真を撮って送ったりしてくださることがあります。

もちろん,
事情がある時に手伝うのはいいと思います。

でも,高校生なら,
必要なページを確認する。
自分で準備する。
自分で送る。

そのくらいは,
本人がやっていいと思います。

こうした小さなことも,
自分の学習を,自分で管理する練習
だからです。

■ 「任せる」と「放っておく」は違う

もちろん,
全部本人任せにすればいいわけではありません。

予定の立て方を間違えることもあります。

そんな時は,
「締切が近いのはどれ?」
「何からやる?」
と聞く。

必要なら,
一緒に整理する。

でも,
決めるのも,実際にやるのも本人。

親は,
答えを出す人から,
考えるのを手伝う人
へ少しずつ変わっていきます。

■ 第21回の「始める力」の,その先へ

前回の第21回
「伸びる子の親は,『速さ』より『始める力』を見る」
では,
まず始められることの大切さを書きました。

でも,中高生になると,
何を始めるか。
いつ始めるか。
何を続けるか。

そこまで,
少しずつ自分で決める必要があります。

つまり,
「始める力」の次に必要なのが,「自分で回す力」
だと思います。

少しずつ任せることは,
突き放すことではありません。

困った時には支える。
必要なら一緒に整理する。

でも,
本人にできることまで,
親が先にやってしまわない。

伸びる子の家庭では,
何も手を出さないということではありません。

できることまで,奪わない。


その距離感が,
自分で考え,
自分で動ける力を育てていくのだと思います。

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