第12回 訂正ノートは全部直さなくていい|点数につながる問題の選び方

第11回~第20回

テストが返ってきたあと,訂正ノートを作ることになりました。

親としては,ついこう思います。

「間違えた問題は,全部きちんと直した方がいいよね。」

もちろん,その気持ちはよく分かります。

せっかくテストが返ってきたのだから,
全部見直して,
全部できるようにしたい。
理想としては,その通りです。

でも,現実には,ここで家庭学習名物,
「訂正ノート終わらない問題」
が始まることがあります。

机の上には,返ってきたテスト。
隣には,まっさらな訂正ノート。
手には,赤ペン。

最初の数問は,まだ元気です。

ところが,間違えた問題が多いと,だんだん手が止まってきます。

問題を書き写すだけで時間がかかる。
解説を読んでもよく分からない。
全部やろうとすると,終わりが見えない。

そして子どもの顔には,静かにこう書いてあります。

「これ,いつ終わるの?」

親の心の中にも,別の言葉が浮かびます。

「いや,こっちが聞きたい。」

ここまでなら,よくある家庭学習の風景かもしれません。

もちろん,訂正ノートを丁寧に作ることは大切です。
ただ,間違えた問題を全部,同じ重さで直そうとすると,
かえって効果が出にくくなることがあります。

大切なのは,全部直すことではありません。

「次の点数につながる問題から直すこと」です。

■ まずは間違いを3つに分ける

テスト直しをする時は,間違えた問題をまず3つに分けてみてください。

A:次は取れそうな問題

B:説明を聞けば分かりそうな問題


C:今はまだ難しい問題


この3つです。

全部を同じように直すのではなく,まず分類します。

ここで大切なのは,Cを捨てるという意味ではありません。
Cは,今すぐ一人で訂正ノートにきれいに書いても,
効果が出にくい問題なのです。
たとえば,
解説を読んでも全く分からない問題,
前の単元から理解が抜けている問題,
問題文の意味自体がつかめていない問題などです。

前回,訂正ノートは「自分専用の問題集」になるとお話ししました。

ただし,そこに今の自分に合わない難問ばかりを入れても,
使いやすい問題集にはなりません。

まず入れたいのは,AとBです。
つまり,
次に取れそうな問題。
説明を聞けば分かりそうな問題。

このあたりは,次の点数につながりやすい「伸びしろ」です。

訂正ノートに最初に入れるべきなのは,こういう問題です。

■ 平均点以下のお子さんの場合

平均点に届いていないお子さんの場合,
訂正ノートで一番大切なのは「全部直そうとしないこと」です。

少し意外に聞こえるかもしれません。
でも,これはとても大事です。

平均点以下の場合,間違いの中には,
今の段階ではまだ重すぎる問題,
つまりCも多く含まれています。

解説を写しても分からない。
なぜその公式を使うのか分からない。
そもそも前の単元があいまい。

こういう問題を全部訂正ノートに入れようとすると,
時間ばかりかかってしまいます。

そして,最後には,

「訂正ノート,嫌い。」

となってしまいます。

これは一番避けたいところです。

まず選ぶべきなのは,基本問題です。
計算の基本,
用語の意味,
公式をそのまま使う問題,
教科書やワークの例題に近い問題です。

目安は,
「解説を読めば,なんとか分かりそう。」
「先生に一度説明してもらえば,次は取れそう。」
と思える問題です。

平均点以下のお子さんにとって,最初の目標は難問を直すことではありません

「取れるはずの問題を,次は落とさないこと」です。

ここが変わるだけで,点数は確実に動き始めます。

■ 平均点前後のお子さんの場合

平均点前後のお子さんは,訂正ノートの効果がかなり出やすいです。

なぜなら,間違えた問題の中に,
「あと少しで取れた問題」
が多く含まれているからです。

途中までは合っていた。
考え方は分かっていた。
公式も覚えていた。

でも,最後で符号を落とした,
条件を一つ読み飛ばした,
単位をそろえ忘れた。

こういう問題は,まさに次のテストの得点源になります。

ただし,ここで一つ考えてみてほしいことがあります。

テスト後に訂正ノートを作るのに2時間かけるのと,
テスト前に今までより2時間多く勉強するのと,
どちらが点数につながりやすかったでしょうか。」

本音を言えば,
テスト前にその2時間を使えていた方がよかったはずです。

だからこそ,訂正ノートは
終わったテストの反省で終わらせてはいけません。

「次のテスト前に見直すために作る」のです。

平均点前後のお子さんは,AとBを中心にノートに入れてください。

Cは,無理に写して終わるより,
先生に質問する,レッスンで扱う,基本に戻る,
という形にした方がはるかに効果的です。

■ 伸びる家庭では,問題を選んでいる

伸びる家庭では,間違えた問題を全部同じようには扱いません。

「これは次に取れそう。」
「これは先生に聞いた方がよさそう。」
と,賢く仕分けをしています。

親が全部を判断する必要はありません。

子どもと一緒に,

「これはAかな,Bかな。」
「これは今はCにして,あとで先生に聞こうか。」

と話しながら分けるだけでも十分です。

この作業をすると,子どもは自分のテストを冷静に見られるようになります。

全部が「バツ」に見えていたテストの中にも,
「次は取れそうな宝物」
が隠れていることに気づくからです。

点数が低かったテストでも,伸ばせる場所は必ずあります。

そこを一緒に見つけることが,家庭でできる大きなサポートです。

■ 今日からやるなら,まず3問だけ

訂正ノートを作る時は,最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。

今日からやるなら,まず3問だけ選んでください。

1問目:次は取れそうな問題,A
2問目:説明を聞けば分かりそうな問題,B
3問目:同じミスをくり返している問題

3問目は,AでもBでもかまいません。
大切なのは,「また同じことで落としそうな問題」を選ぶことです。
この3問をノートに入れ,
前回お伝えした「どこで,なぜ間違えたか」「次にどうするか」を
吹き出しで書きます。

これだけで,
ただ全部を写すだけのノートとは効果がまったく違ってきます。

訂正ノートは,量や根性で勝負するものではありません。

次の点数につながる問題を,きちんと選んで残すものです。

全部直せなかったから失敗,ではありません。

次に使える問題を選べたなら,それは十分に価値のある大成功のノートです。

■ 25分体験で,どの問題を選ぶかを一緒に見ることもできます

実際には,
「どれが次に取れそうな問題なのか」
「どれを先生に聞いた方がよいのか」
を判断するのは,意外と難しいものです。

親から見ると全部大事に見え,
子どもから見ると全部面倒に見えることもあります。

ここで,第三者の目が役に立ちます。

25分の体験レッスンでは,
お子さんのテストやノートを一緒に見ながら,
どの問題を訂正ノートに入れると点につながりやすいかを
整理することもできます。

全部を変える必要はありません。

まずは,
「次の点数につながる3問」
を見つけることから始めます。

「訂正ノートを作っているのに伸びない」
「テスト直しに時間がかかるわりに点につながらない」
「親として,どの問題を見ればよいのか分からない」

そう感じている方は,
一度,お子さんのテストを一緒に見直してみませんか。

訂正ノートは,全部直すためのノートではありません。

次の点数につながる問題を選び,
同じ落とし穴に落ちないための作戦を残すノートです。

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