勉強ができる子の家庭の食卓では,
時折,不思議な数字の会話が飛び交う
「あるある」な風景があります。
例えば,商品の金額を見て,
「あ,144円だ。これって 12の 2乗だね」
車のナンバープレートを見て,
「46-44 だって!かけ算したら 2024 になるね」
そんなふうに,数字をただの記号ではなく
個性豊かなキャラクターとして面白がるのです。
■ 数字を「敵」にしない家庭
中学生になると,数学の計算量は一気に増えます。
文字式,方程式,関数,平方根。
数字はいつの間にか
「処理しなければならないもの」
「間違えると怒られるもの」
になりがちです。
でも,勉強ができる子の親御さんは,
日常の中に潜む数字を親子でパズルのように楽しんでいます。
「11から19までの2乗を知ってると,計算が速くなるんだよ」
「3:4:5の比率って,実は大工さんも使ってるすごい数字なんだって」
「カレンダーの斜めの数字を足すと,ほら,同じ数字になるよ」
こうした何気ない会話が,
子どもの数学への心理的ハードルを下げてくれます。
■ 公式より先に,「おもしろい」がある
数学が苦手になる子は,
最初から公式を押し付けられていることが少なくありません。
「覚えなさい」
「使いなさい」
「間違えないようにしなさい」
もちろん,公式を覚えることは大切です。
でも,その前に
「あれ,不思議だな」
「どうしてそうなるんだろう」
「他の数字でも成り立つのかな」
と感じる経験があると,
数学は少し違って見えてきます。
私は当時,電卓で
「√キーを押し続けたらなんで1になるんだろう」
と思っていました。
学校で平方根を習った時に解決して
うれしかったのを覚えています。
公式は,丸暗記するだけのものではありません。
数字の中にある決まりを見つけ,
それを短くまとめたものです。
親子で「あっ,法則を見つけた」と喜ぶ体験があると
数学は苦行ではなく,
発見のある遊びに変わっていきます。
■ 親が数学の難問を解ける必要はない
親御さんが,難問を解ける必要はありません。
大切なのは,数字の裏側にあるロジック(論理)を
親子で面白がる空気です。
「これ,何か決まりがありそうだね」
「どうしてこうなるんだろうね」
「先生に聞いてみたらおもしろそうだね」
その一言だけで十分です。
そのワクワクする好奇心が,
机に向かったときの集中力や,
見慣れない問題に挑む粘り強さにつながっていきます。
ただし,あまりに親が数字の小ネタに詳しすぎて,
ピザが届いた瞬間に
「この円の面積は…」
と計算し始め,
「いいから早く食べようよ」
とお子さんに止められるまでが,
理系親子の「あるある」かもしれません。
■ おまけ
この機会に,覚えるためではなく
「確かめて遊ぶため」に,
親子で少しだけ数字を眺めてみませんか。
【11から19までの2乗】答えの数字だけ眺めてみる
11² = 121
12² = 144
13² = 169
14² = 196
15² = 225
余裕があれば,あと 4つ。
16² = 256
17² = 289
18² = 324
19² = 361
これを知っているだけでも
計算の見え方がかなり変わります。
【十の位が同じで,一の位の和が 10 になるかけ算】
たとえば,
46 × 44
前の部分は
(十の位)×(十の位+1)→ 4 × 5 = 20
後ろの部分は
一の位同士の積 → 6 × 4 = 24
だから,
46 × 44 = 2024
簡単に言えば
「前は連続する数のかけ算,後ろはふつうのかけ算」です。
当然ですが,一の位の数が 5 である 2ケタの数の 2乗も同じ法則です。
15² = 225
25² = 625
35² = 1225
45² = 2025
55² = 3025
65² = 4225
75² = 5625
85² = 7225
95² = 9025
下2ケタが25になっているのを見て,
「あっ,あの形だ」と気づけるようになると
数字を見る目が少し変わってきます。
この法則が成り立つ理由,
3ケタの数なら使えない理由を,
中3生なら文字式で説明できるかもしれません。
気になる方は,親子で考えてみてください。
分からなければ,メッセージで尋ねていただければお答えします。(笑)
【ピタゴラス数】
三平方の定理
a² + b² = c²
を満たす整数の組合せです。
3 : 4 : 5
3² + 4² = 9 + 16 = 25 = 5²
5 : 12 : 13
5² + 12² = 25 + 144 = 169 = 13²
7 : 24 : 25
7² + 24² = 49 + 576 = 625 = 25²
さっき出てきた2乗の知識が
ここでも生きていますね。
こんなふうに,計算を少しだけ遊びに変えてみる。
普段の生活で数字の不思議を語り合うことが,
お子さんの論理的思考の芽を少しずつ伸ばしていきます。


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