第2回 リビングの片隅にある知恵

オンライン家庭教師

「勉強しなさい!」と声を荒らげなくても,
自然と学びが生まれている家庭があります。

そういう家庭のリビングには,
あるものが,さりげなく置かれていることがあります。

最新版の地図帳や国語辞典,時事用語集などです。

■ 親が調べる姿は,最高の教材になる

中学生になると,社会や理科の内容は一段と高度になり,
日常のニュースとも深くつながってきます。

国際情勢が動いた時。
ニュースで聞き慣れない言葉が出てきた時。
ふとした疑問が浮かんだ時。

勉強ができる子の親御さんは,
その瞬間に,こんなふうに動いています。

「これ,どこの国だったかな?」
そう言って地図帳を広げる。

「この言葉,正確にはどういう意味だったかな?」
そう言って辞書や用語集を開く。

親がすぐに,しかも楽しそうに調べる。
この姿こそが,お子さんにとって最高の知的好奇心への刺激になります。

子どもは,親の言葉以上に,
親の姿から「学び方」を見ています。

■「わからない」は,止まる合図ではない

調べる姿を見る機会が多い子は,
少しずつこう感じるようになります。

「わからないことは,調べればいい」
「知らないことは,面白い入口になる」

反対に,調べる姿を見る機会が少ないと,
「わからない=止まる」になってしまうことがあります。

この差は,最初は小さなものです。

しかし,中学,高校と進むにつれて,
自分で調べる子と,わからないところで止まる子の差は,
じわじわ広がっていきます。

だからこそ,家庭の中に
「調べるのが当たり前」という空気を作っておくことは,
思っている以上に大切なのです。

■ 紙の地図帳や辞書には,寄り道の力がある

もちろん,スマホ検索は便利です。
最短距離で答えにたどり着けるのは,大きな強みです。

でも,あえて紙の地図帳や辞書を開く良さもあります。

目的の国を探している途中で,別の国名が目に入る。
調べた言葉の隣に,関連する言葉が載っている。
「えっ,そういう意味だったの?」という思い違いに気づく。

この偶然の寄り道や一覧性こそが,
あとでじわじわ効いてきます。

応用問題で差がつくのは,
こうした知識のつながりです。

ちなみに我が家には地図帳だけでなく,
「イタリアワイナリーマップ」まであります。
イタリアワイン好きが高じて……ですね。(笑)

■ リビングは,学びの入り口になる

親が面白がって調べている横で,
お子さんが「どれどれ」と覗き込む。

そんな何気ない時間は,
机に向かう勉強とは少し違う形で,
確かな記憶として残っていきます。

ただし,親が夢中になりすぎて,
「お母さん,ご飯まだ?」
と子どもに現実へ引き戻されるところまでが,
ひとつの「あるある」かもしれません。

机に向かっている時だけが勉強ではありません。
子どもだけが勉強するのでもありません。

リビングに一冊の地図帳を置くだけ。
世界地図のポスターを貼るだけ。
国語辞典や時事用語集を手の届く場所に置くだけ。

それだけで,食卓は世界とつながる学び場に変わります。

出費がかさむ時期だからこそ,
買い物のついでに一冊,
リビングに迎えてみるのもいいかもしれません。

今日から,家族で知る喜びを共有する拠点を,
リビングの片隅に作ってみるのはどうでしょうか。

(我が家のワイナリー地図)

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