高校生になると,定期テストも大学受験も,
中学生の頃とは求められる力が大きく変わってきます。
単なる暗記だけではなく,
長い文章を読み,
条件を整理し,
自分の考えを組み立てる「論理的思考力」
が必要になります。
そこで大切になるのが,
長く深く集中する時間と,
脳をしっかり休ませる時間のメリハリです。
中学生編では「45分集中・15分休憩」を紹介しましたが,
高校生では一段階進めて,「90分集中・30分休む」
というリズムをおすすめします。
いわば,大学入試に向けた「試験仕様の学習リズム」です。
■ 90分集中,30分休む
高校生におすすめなのは,
90分の集中と30分の自由時間を1セットにする方法です。
90分という長さは,
過去問演習や記述問題に取り組むのに向いています。
この時間はスマホを別室に置くなどして,
自分を「試験モード」に近づけます。
その代わり,30分の自由時間には,
軽く寝る,音楽を聴く,散歩するなど,
自分が回復できる方法を自由に選びます。
大切なのは,その30分を
親が細かく管理しすぎないことです。
「次の90分に向かうために,何をすると回復するのか」を
本人に考えさせることが,自立への第一歩となります。
■ 休憩は,勉強の「敵」ではない
「30分も休んだら長すぎるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし,休憩はサボりではなく,
次の集中に向かうための「準備時間」です。
問題を解いているときには気づかなかったことが,
少し離れたときにふっと浮かぶことがあります。
「あの条件を見落としていたな」
「別の解き方もあったかもしれない」
こうした気づきは,休憩中に
頭の中が整理されることで生まれることもあります。
「結局,脳は休んでないんじゃない?」
というツッコミは,いったん置いておきましょう。
本人としては,ちゃんと
休んでいるつもりなのですから(笑)。
■ その日の疲れに合わせて,タスクを「重さ」で分ける
高校生活は忙しいです。
部活動,塾,学校行事。
その中で毎日同じ学習量をこなそうとすると,
計画が崩れたときに一気に苦しくなります。
そこで,タスクを「重さ」で3段階に分けます。
【A】重い学習
過去問演習,記述問題,初めて学ぶ単元
【B】中くらいの学習
授業の復習,解き直し,ノート整理
【C】軽い学習
英単語,古文単語,公式確認
元気な日は【A】を中心に。
疲れている日は【B】と【C】で整える。
どうしても動けない日は【C】だけでもよしとする。
大切なのは,「今日は何もできなかった」という挫折感を作らないことです。
■ 計画に「支配」されるのではなく,計画を「使う」
以前,ある高校生の生徒さんが
「平日は数学を毎日2時間,土日は5時間やります」
と意気込んでいました。
ところが,翌週には「続きませんでした」と肩を落としていました。
そこで,曜日ごとの疲れ具合を考え,
学習の重さを変える計画に修正しました。
すると,「やらなきゃいけない」という
プレッシャーから少し解放され,
自分が計画をコントロールしている感覚に変わりました。
今春,志望大学に合格しました。
勉強は根性だけで押し切るものではなく,
自分の状態に合わせて調整するものなのです。
■ 親の役割は,管理から「伴走」へ
高校生になると,親の役割も変わります。
中学生の頃のように
「宿題やったの?」と管理し続けるのは,
本人の自立を妨げ,
関係を悪化させる原因にもなりかねません。
日々,高い目標に向かって机に向かおうとする
高校生のお子さんは,それだけで十分立派です。
そのプレッシャーを理解し,見守ってあげてください。
週に一度,親子で話す機会があれば,
進捗だけでなく「余白」を見てあげてください。
「今週,ちゃんと休める時間は確保できてる?」
「日曜の午後は,完全にリフレッシュに充てていいよ」
このように,「休む時間も予定の一部」として
認めてあげることが,結果として長く続く集中力を生みます。
■ 高校生の勉強は,詰め込みより「設計」
高校生の勉強で大切なのは,
ただ長時間机に座ることではありません。
90分集中・30分休憩のリズム。
疲れに合わせたタスク管理。
親は「管理」ではなく「伴走」。
自由時間をなくすのではなく,
「自由時間を含めて学習を設計する」。
それが,高校生にとっての本当のメリハリです。


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