リマソールには大抵,一戸建てにも集合住宅にも写真にあるようなタンクがあります。太陽熱温水器です。
タンクの内部は全て熱伝導率が高い銅でできていて,わずか1000ユーロからあるようです。耐用年数は30から50年,しかもお湯代はただなので経済的です。(実質水道代だけ)
上のタンクにポンプで水が入ります。その後は高低差を利用しているのでタダです。
追い焚きのためのヒーターはあります。30分ほどスイッチを入れるだけです。
そのスイッチを切り忘れているとお湯の温度が上がりすぎ,やけどしそうになるので気付けるはずです。
うちにお客さんが来た時にその仕組みを知らずに誰かがスイッチを入れたようで,数日後にタンクの圧力が高くなりすぎてパーツが壊れました。
土曜日の夜に爆発音のような音がしたんですが,月曜日に業者さんが来てくれるまでお湯も水も出なくなり,トイレも流れないので,大変な思いをしました。
構造・原理はというと。
上下2つのタンクと温水パネルだけです。上のタンクは普通の水,下のタンクはでき上がったお湯を貯めるものです。
湯船の上部が下部よりも熱いことを経験上知っているように,温められた水は膨張して比重が小さくなるため上部へと移動する,という原理を使っているだけです。動力は一切使っていません。
上のタンクに出口が2つあります。
一つはそのまま家に下りていくもの,もう一つの水は温水パネルの下部に行くものです。
温水パネルの下部に流入した水は太陽熱で温められると,パネル上部へと押し上げられます。
温水パネル上部に達したお湯は下のタンクの下部に入ります。
下のタンクでも同じ現象によって水(お湯)の循環が行われ,タンク内の温度はある一定の温度まで上がり続けます。
タンクの上部に採湯管があるため,いつも一番熱いお湯から取り出すことができます。
シンプルながらも良くできています。自然の循環だけで動いているのですから。
水圧を高めたい人はポンプをタンクそばに設置するかもしれません。
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